翻刻
少延引すとも。/糞(こゑ)も加連地もされたるよし。凶年尓は虫多
き事あり。其ゆへ殊尓地古しらへよくすべし。若/圃(はたけ)のなき所
ならば。早田中田能跡を委しく古しらへ用ゆべし。必力越
徒くし。人々相應尓多く/蒔(まく)へし。《割書:こゑを農人志ふん尓もとめかぬる事|あらは。役人より借銀才覚して遣すべし。》
尤後能手入連古やしに心越用ゆべし。次尓大根をも多く
蒔べし。地古しらへ右尓いふごとし。/蕪(かぶ)と大古ん盤小きより。まび
きて汁尓もし。長する尓志たがひ食物尓加へて穀物の助と
すべし。よく農人をさとし。秋初より覚悟し。蕪大こんを
多くうへなば。たとひ領主能めぐみ薄しといふとも。貧民まで
も餓死のう連へなりかるべし」又凶年尓盤そら豆をも多く種
べし。麦より少はゆくいできぬ連ば。麦尓取徒く時の助と成べし」
農人つ年〴〵蕪大根のた年を余分尓畜置べし。なみ能年尓
ても必お保く作り立。農人これを用ひて冬春麦尓取徒々く
まて能穀食の助とす扁し〇津の国の老農。中村篤好が
農業夜話尓。物の水尓入たる越救ふ事を云へり。大水の時の
心得尓も成るべきかと思ひて。こゝ尓附録春。曰享和二年戌七月
朔日。関東筋も大風雨尓亭出水ありしか。摂河の所々洪水
四方尓溢連。米穀器財等尓至るまて。水亡せる事夥し。
其頃水尓入連る米穀を救はむ術を考へて。人々尓語りける
尓。信用春る考も有さ連ば。押亭云むもいかゞしく。殊尓余は