翻刻
/営陳(ぢんや)のやうなりしかば。使者大尓驚き。その通絵図尓して上覧
尓入連し尓。天子/詔(みことのり)を下して褒美せら連ける。此たひ/活(いかせ)しもの
数萬人也とぞ〇流民尓仕事をさせしは。唐の/王方翼(わうはうよく)。/粛(志ゆく)
州の/刺史(ぶぎやう)たる時。蝗多きとしなれと。その境尓盤なかりけ連ば。
鄱郡の民ともみな入込ける。/方翼(はうよく)/私銭(じぶんぜに)を出して。/水磑(みづうす)を作
らしめ。その/直(あたひ)をもて銭を/濟(すく)ひ。数十百/楹(けん)の/舎(こや)越作りてさし
居き。/全活(たすかる)ものおびたゞしと也〇宋の/董?(とうい)いへらく。流民来
らば法をたてゝさし置く扁し。/富(ふ)/弼撨採打魚(ひつたきゞとりかはがり)をせしむる
などの類也。さ連登/修堤濬河(つゝみぶしんかはさらへ)などの公私両便なる尓盤志か須。
さもなくば官司より銭越出して。民のもてる/芦場(よしあしおゝくあるところ)。又/柴(たきゞ)/篠(志のだけ)
ある山をかりて。流民耳/樵採(きこり)せしめ。官より銭を遣して。その取り
来りし物を/買(かひ)上げは。流民どもその力尓て食するうへ。雪ふりて
寒記時尓いたりて。/價(ねだん)を/平(なら)して売り出さば。また小民ども
乃勝手尓なるべし。
〇/餓茡(ゆきだを連)ものを取片付病人を/介抱(かいはう)する事
凶年尓盤/疫癘(ゑき連い)流行する者也。/餓茡(ゆきだをれ)もの路頭尓みつ連ば。
癘氣越生する故。その時々取片付さ須べし。是生者の為
のみならす。仁者能死者/憫(あはれ)むことかくあるべきことなり。また
病みて死尓至らぬもの盤。醫業越與へて救ひを遣る須盤。申迄も
《割書:贈補 /鳥(とり)も/獣(けもの)|も。/終日(しうじつ)。あさり》 《割書:/業(わざ)をして食尓|ありつくべきはづ》
《割書:あるかねば。食を|うる古とあたはず。》 《割書:なり。夫尓心得|違ひの者あらば。》
《割書:流民も足手|あ連ば。/相應(さうおう)の》 《割書:きびしく/取締(とりしむ)|るべし》