翻刻
よからざることな連ば。決して春まじき也といひて。日々米壱合づゝ
與扁希連ば。甥なるもの草木の葉尓まぜ。かゆ尓して食ひし尓。
家内五六人のもの命つきしといへり。貝原氏か農業全書尓。いつの
きゝんの時尓や。ある所能/領(連う)主より。飢人一日一人尓付て。米壱合
づゝ救ひあた扁ら連しかば。夫尓て餓死能ものなかりしよしいへり。
此等尓よつて考る尓。久しくかゑたる人を救ふ尓盤。米壱合又盤
五六勺尓ても露命盤つなぐ事也。壱合と/積(つも)り。一萬人百日の食
/僅(わづか)尓現米十石也。十萬人百日能食萬石也。多くとも百五六十日
養ひ遣せば。冬よ里は春作尓取つき。夏よ里盤秋のみの里尓とりつく
べし。大国の上尓ては。/貯(たくは)へさえあらば/容易(やうい)なること尓て。多くの人
命を救ひ。大なる仁政尓なり。はて盤其国も/戸口(ここう)婦扁て。とみさ
うゆべき也。国家の阿るじたらん御方盤。常尓こゝ尓心を用ひ玉ひ。
節倹越専とし亭。米穀越多く貯へ置度もの也。論語の千
乗能国を治る尓。節メ_レ用ヲ而愛ス_レ 人ヲと盤。是等の處第一/簡要(かんえう)の
事なり。
〇草木をもて食とする事
大饑饉久しく打/續(つゞ)き。/粥(かゆ)さへも/施(ほどこ)すべき手立尽るとき
盤。草木の根葉食ふへき者越おしへて。食/料(連う)登すべし。是
まこと尓せんかた徒きて。やむこと越得ぬ/術(しゆつ)なり。〇荒政要覧尓曰。
《割書:増補 粥施行|を受る位の者は。》 《割書:の事尓て。/汝等(なんじら)|平日督課/撫(ぶ)》
《割書:多くは/惰民(だみん)尓て。|古々尓いたれば。格》 《割書:/育(いく)たら須して|今日尓いたり。/見(み)》
《割書:萬世話春る尓及ば|さるよし。さる里正》 《割書:/殺(ごろし)尓春るかと|いひしかば。一言》
《割書:いひしかば。余いへ|らく。夫は平日》 《割書:なくしてやまぬ| 》