翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

救荒事冝 - 翻刻

救荒事冝 - ページ 48

ページ: 48

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老人小児。又盤後家やもめなどは。いかゞして食越徒なく事やらんと 思ひや連ば。む年ふさがる。又或時一人の六十六部尓行つ連し尓。此六部 残越流して余尓語連る尓は。此間山中尓行暮て。とある民家尓 入て宿り越求めし尓。老人娘登二人居たりしが。宿をゆるさ須。 強て乞しかば。食物なしといふ。米盤こなた尓貯へたりといふて。 續て内尓入たる尓。二人とも尓いとちから那く久敷病るやうな連ば。 いかゞし給ふやととふ尓。二人とも涙を流し。近きなど盤一かう尓 食せ須。女房盤十日ばかり以前既尓餓死せり。忰も四五日前にうへ尓 つか連死せり。親なりといふ我等盤少しつゝ食越あたへく連しゆへ 今まて盤生のひぬといふ尓。興さめて驚き。さても哀連なる事 を承はるか那。嘸かし苦しく候はん。先此焼たる食越志よくし給へと 出せる尓。老人と娘互尓譲り合ふて食せ須。いか那る故尓此場尓いた りてゆつり合給ふや。こ連尓てたら須は。猶此袋尓一升はかり盤貯へも 候へば。二人とも尓心置須食し給へと強たりし尓。老人のいふやう盤。 御志盤忘連かたく忝く候へとも。今宵此飯をたべ候ひても。明日より の食物なし。さす連ばなましい尓食して。苦しみを永くする道理 なり。たゞ一日もはやく死行ん事こそ今日の望なり。娘盤また年 若き身な連ば。明日尓もせよ。万々一殿様より御恵の年尓ても あらば。命たすかる事もや有べき。少し尓ても食し。一日尓ても活の びよかし。老人ははや思ひ残須事もなし。女房忰のはや死行