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【右丁】
おくゆへ終(つい)に難治(なんじ)【左ルビ:なをりかぬる】となる又 攻撃(こうげき)の剤(さい)は其 効(しるし)すみ
やかなれども滋補(じほ)の薬はゆるやかなれは急(きう)に効(こう)も見(み)
へぬものと云てうか〳〵ときかぬ薬を久(ひさ)しく用る
は大(おゝき)なる誤(あやまり)なり却(かへつ)て病をおもくするものなり古方(こはう)
家(か)の寒涼攻撃(かんりやうこうげき)にて人をあやまるよりも急(きう)に目
にはみへねども甚(はなはだ)病者(びやうじや)に害(がい)あり个様(かやう)の医者の治(ち)【左ルビ:なをし】し
たる病(やまい)は薬にて治(ち)したるにてはなし白湯(さゆ)を用ても
治する病なり又 当世(とうせい)の古方(こはう)を用る医者(いしや)は病(やまひ)はなを
せども命(いのち)は天(てん)にまかすと云(い)ふ若(もし)薬(くすり)ちがいにて死(し)する
者(もの)も皆(みな)天命(てんめい)なりと云べしや且又(そのうへ)病(やまひ)はなをりても
【左丁】
命(いのち)がなけれは何のやくに立(たゝ)ぬ事(こと)なり病(やまゐ)を恐(おそ)るゝは
死(し)を恐(おそ)るゝなり命(いのち)をかまはねは医者はいらぬ
者(もの)なり
脈【脉は脈の俗字】 見する心得
医者(いしや)の病人(ひやうにん)を見(み)るに望聞問切(ばうもんもんせつ)とて四(よつ)の法(はふ)あり先(まづ)
病人の顔色形容(かほのいろかたち)を望(のぞ)み見(み)病人の聲(こえ)を聞(き)き病人
の様体(やうだい)【躰は旧字「體」の俗字】病因(ひやういん)などをよく〳〵たづね問(と)ひ次(つぎ)に脈(みやく)を深(しん)
切(せつ)に診(しん)すこれ古(いにしへ)より医術(いしゆつ)の大法(たいほう)なりしかるに当(とう)
世(せい)の医者に人心(ひとごゝろ)同しからざる事 面(おもて)のごとし脈(みやく)も
またしかり《振り仮名:人〻|ひと〳〵》にかはりあれば病證(ひやうしやう)を見るにた