翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション1

病家心得艸 (上・下) - 翻刻

病家心得艸 (上・下) - ページ 15

ページ: 15

翻刻

【右丁】 ◯総(すべ)て病中(ひやうちう)にても無病(むびやう)にても老人(としより)小児(こども)ともに  急(きう)にめをまはしたるには生薑(しやうが)ゆを用てよしその  上(うへ)きつけなどを用ても無性(むしやう)にて気(き)つかずば臍(ほそ)の真(まん)  中(なか)を神闕(しんけつ)と云これに灸(きう)をすゆべし又 足(あし)のつちふま  ずのまん中(なか)少(すこ)しゆびの方(かた)へよりくぼみあり湧泉(ゆせん)  の穴(けつ)と云これに灸す又 足(あし)の大指(おゝゆび)の内(うち)かど爪(つめ)の一(いち)  分(ふ)ほどわきを隠白(いんはく)の穴と云 是(これ)に灸(きう)す又 陽気(やうき)  の《振り仮名:下■|げかんし》【陥ヵ】【左ルビ:ひきはり】たる症(しやう)なれは頭(かしら)の巓(いたゞき)のまん中 百会(ひやくゑ)の穴(けつ)  に灸すいづれも随分(ずいぶん)艾(もぐさ)を大きにして灸し少(すこ)し  あをぎて火気(くわき)をつよくすべし 【左丁】 ◯小児(こども)痘瘡(ほうさう)【注①】の初熱(じよやみ)【注②】に目(め)をみつめ【注③】たるにも生姜湯(しやうかゆ)を  用てよし ◯産後(さんご)の血暈(めまい)には安神散(あんじんさん)を用ゆ又 酢(す)の気(き)をかゞ  すべし或(あるひ)は漆(うるし)ぬりの物(もの)を火(ひ)にやきてかゞすもよし  難産(なんさん)【左ルビ:こうみかぬる】には赤小豆(あづき)七粒(なゝつぶ)生(なま)にてのむべし ◯凡 卒倒(にはかにたおれ)て手足(てあし)厥冷(ひえ)たる症(しやう)に口をふさぎ歯(は)を  くひしめたるは療(りやう)ずべし口をあきたるは療(りやう)すべ  からず ◯一切(いつさい)急死(きうし)又は高所(たかきところ)より落(おち)たるには小便(しやうべん)をのま  すべし 【注① ママ。漢字から判断すると振り仮名は「とうさう」とあるところ。振り仮名から判断すると「疱瘡」とあるところ。意味はどちらも天然痘。】 【注② 「序病(じょやみ)」=病気の初期、特に痘瘡(天然痘)で発疹が生ずる前の発熱している期間をいう。】 【注③ 「目を見付ける」に同じ。ひきつけを起こすなどして、目の玉が一点を見つめたまま動かなくなること。】