翻刻
【右丁】
◯凡 食傷(しよくしやう)は食後(しよくご)まのなきは塩(しほ)ゆを飲(のみ)はきかへしてよし
◯飯(めし)餅(もち)のあたりたるには麦芽(むぎのもやし)を煎(せん)しのみてよし
◯酒(さけ)のあたりたるには芳野(よしの)くずのこ又は五倍子々(きぶしのこ)を
水にてのむ又 枳椇(けんほなし)を食(くひ)てよし
◯魚類(うをるい)のあたりには陳皮(みかんのかわ)をせんじのみてよし
◯麺類(めんるい)又は小麦餅(こむぎもち)又は豆腐(とうふ)のあたりたるには大根自(たいこんおろ)
然汁(ししる)をのみてよし
◯河漏(そばきり)又はかいもち【注】のあたりにはあらめを煎(せん)しのみ
てよし
◯一切(いつさい)果瓜類(くだものうりるい)のあたりには胡椒(こせう)をのみてよし
【注 搔餅=糯米(もちごめ)の粉、米粉、粟粉、小麦粉を水でこねたものを、餅のようになるまで煮たもの。】
【左丁】
◯野菜(あをは)菌(くさびら)のあたりには甘草(かんざう)をのみてよし
◯切(しきり)に腹痛(はらいたむ)にも甘草(かんざう)用てよし
◯山枡(さんしやう)にむせたるにも《振り仮名:𩚚逆|しやくり》にも甘草よし
◯一 切(さい)どく虫(むし)のさしたるには生塩(なましほ)をかみぬりてよし
◯湯火傷(やけど)には灰水(あく)をぬりてよし又 少(すこ)しのやけどは
そのまゝ火にてあふれはいたみやむなり
◯漆瘡(うるしまけ)にはしろみつのおりをつけてよし
◯咽(のど)にとげ魚(うを)のほねのたちたるには甘草(かんざう)砂仁(しやにん)等分(とうぶん)
末(こ)にしてきぬぎれにつゝみふくみて汁(しる)をのむべし
◯打撲(うちみ)には痛(いた)むところに小便(しやうべん)をぬりてよし