翻刻!江戸の医療と養生

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病家心得艸 (上・下) - 翻刻

病家心得艸 (上・下) - ページ 19

ページ: 19

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【右丁】 遍(へん)ばかり摩(なつれ)は三日の中には必(かならす)発(うごふ)なり又 葱(ひともじ)の茎(くき)三五 本(ほん) 煻灰(あつはい)の中に煨温(やきあたゝ)め灸痂(くろぶた)の上(うへ)を熨(のせ)は三日の中に発(うごふ)なり  灸瘡 洗薬(あらいぐすり)方 灸瘡 発(うごふ)て久(ひさ)しく愈(いゑ)さるは葱根(ひともしのねの)赤皮(あかかわ)薄荷(はつか)各(おの〳〵)等(とう) 分(ぶん)剉(きざみ)煎(せん)し洗(あらひ)てよし又 桃枝(もゝのゑだ)柳枝(やなぎのえた)各等分 剉(きざみ)煎(せん)じ 洗てよし  占祈祷(うらなひきとう)の心得 病人(ひやうにん)の吉凶(よしあし)生死(いきしに)を占(うらな)ひ或(あるひ)は医者(いしや)の方角(はうがく)を占ふ事 無益(むやく)のことなれども愚痴(ぐち)なる人(ひと)女子(おなご)小児(わらんべ)の疑(うたがい)を決(けつ) するにはよき事もあるべし又 神仏(かみほとけ)に願(ぐはん)を立(た)て或(あるひ)は 【左丁】 巫(きこ)道士(やま ふし)などの祈祷(きとう)も愚(おろか)なる人の心をすますために してくるしからぬことなり当世(とうせい)の医者(いしや)は巫祝(ふしゆく)とて賤(いや)し むれども古(いにし)へは巫祝(ふしゆく)と医者(いしや)と同(おなじ)腫類(しゆるい)【ママ】ゆへ巫毉(ふい)と一つに 云り又 毉(い)の字(じ)巫(ふ)に従(したか)ふはもと毉(い)と巫(ふ)とは同類(おなしたくひ)のゆ へなり   疾病(やまい)名目(な)俗解(ぞくかい) 傷寒(しやうかん)《割書:冬(ふゆ)寒(さむき)に傷(やふら)れてすなはち病(や)むを正傷寒(しやう〳〵かん)といふ春(はる)に至(いた)りては|変して温病(うんびやう)となり夏(なつ)は変(へん)じて暑(しよ)病となる又は熱(ねつ)病とも》  《割書:いふなり傷寒に六 経(けい)の証(しやう)あり大陽(たいやう)陽明(やうめい)|小 陽(やう)大 陰(いん)小 陰(いん)厥陰(けついん)なり》  中寒(ちうかん)《割書:寒毒(かんどく)にあたる|急症(きうしやう)なり》 温病(うんひやう)《割書:冬寒にあたり春へもちこし|あたゝかなる比に至て病むもの也》 中暑(ちうしよ)《割書:なつ暑気(しよき)にあたりて|わつらふをいへり》 時疫(じゑき)《割書:時行(はやり)疫病(やくびやう)なり瘟疫(うんゑき)とも疫癘(ゑきれい)とも云(い)ふなり俗(ぞく)に傷寒を時疫(しゑき)|又は疫症といふは非(ひ)なり》