翻刻
【右丁】
知(し)れる所(ところ)の書(しよ)一二をしるすのみ
○内経(だいきやう)とは素問(そもん)九巻(くくわん)霊樞(れいすう)九巻(くくはん)合(あわ)せて黄帝(くわうてい)内経
といふ昔(むかし)黄帝と云 聖王(せいわう)ありて岐伯(ぎはく)鬼兪区(きゆく)等(ら)
の諸臣(しよしん)と問答(もんどう)したまふ医論(いろん)をしるす此書(このしよ)は黄
帝の時(とき)に出来(でき)たるにてはなしはるか後(のち)の世(よ)周(しう)の末(すへ)
戦国(せんごく)の頃(ころ)に出来たりと云伝(いゝつた)ふるなり
○難経(なんきやう)とは秦越人(しんえつじん)扁鵲(へんしやく)と号(ごう)せし人の作(さく)なりもと
は八十一難云しを後(のち)の人 尊(たつとん)で経(きやう)と云 字(じ)を付(つけ)て難
経といふなり
○傷寒論(しやうかんろん)金匱要略(きんきようりやく)ともに張仲景(ちやうちうけい)の作(さく)なりしかし
【左丁】
仲景の全本(ぜんほん)今(いま)は絶(たへ)てなし惜(おし)むべき事(こと)なり今の
世に伝(つたは)るは王叔和(わうしゆくくわ)と云(いふ)人仲景の書(しよ)のこゝかしこ残(のこり)
たるを集(あつ)め綴(つゞり)しなり
○肘後方(ちうこはう)は晋(しん)の葛洪(かつこう)の作(さく)後(のち)に陶弘景(とうこうけい)といふ人 増補(そうほ)
して肘後百(ちうこひやく)一 方(はう)といふ
○千金方(せんきんはう)《割書:三十|巻》千金 翼(よく)方《割書:三十|巻》唐(とう)の孫思邈(そんしばく)の作なり
○外臺秘要方(けだいひようはう)《割書:四十|巻》唐(とう)の王燾(わうたう)の作なり
○脉経(みやくきやう)は晋(しん)の王叔和(わうしゆくくは)の作なり
○甲乙経(こうおつきやう)は晋(しん)の皇甫謐(くわうほひつ)の作なり
○十四経(じうしけい)は元(げん)の滑伯仁(くわつはくじん)の作なり