翻刻!江戸の医療と養生

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病家心得艸 (上・下) - 翻刻

病家心得艸 (上・下) - ページ 8

ページ: 8

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【右丁】 養生にのみ心をこらし食物は秤(はかり)にてかけ力態(ちからわさ)をいとひ思(し) 慮(りよ)をついやすまじとて家職(かしよく)をすて閑居(かんきよ)【左ルビ:しつかなるすまい】に引罷(ひきこもり)いるは 却(かへつ)て不養生なりされば内経(だいきやう)にも少欲知節(しやうよくちせつ)【左ルビ:よくをすくなふしほとをしる】といふ事 あり是(これ)養生の肝要(かんよう)なり人〻 我(わが)分限(ぶんげん)相応(さうおう)に心もつ かい食(しよく)も充満(しうまん)せざるほどくい酒(さけ)も中(あたら)ぬほどのみそのほか 万事(よろづのこと)我身(わがみ)において少(すこ)しも苦(く)にならぬほどに心がくべし しかし色欲(しきよく)【左ルビ:いろ】と美食(ひしよく)【左ルビ:むまきもの】とは随分(すいぶん)戒(いまし)むへし  服薬の心得 夫(それ)病人(びやうにん)薬(くすり)を服(ふく)【左ルビ:のまば】せは第一(たいいち)それ〳〵の禁戒(きんかい)【左ルビ:いましめ】を守(まも)り房事(ばうし)飲(いん) 食(しよく)を慎(つゝ)しむべし諸事(しよじ)医者(いしや)の指図(さしづ)をもうけ食物(しよくもつ)の 【左丁】 禁忌(いみさしあい)をとくと尋問(たづねとふ)べし何ほど良薬(りようやく)【左ルビ:よきくすり】を用ても病人 禁戒(いましめ)を守らざれは其効(そのしるし)なし凡(およそ)薬(くすり)は病症(びやうしやう)に応(おう)ずるを よしとす若(もし)其病(そのやまい)に中(あたら)らざれは人参(にんしん)白朮(びやくじゆつ)も人を害(がい)す其 病(やまい)に応(おう)すれは石膏(せきかう)芒硝(ばうせう)も恐(おそ)るべからず只(たゝ)其薬の病に 応(おう)するか応せざるかを考(かんかふ)べしさて薬(くすり)は病(やまい)あらば服(ふく)すべし 病なきに薬を服(ふく)するは壁(かべ)の裏(うら)に柱(はしら)を添(そゆる)るかごとし とて益(ゑき)はなくして大に害(がい)をなす事あり針灸(はりきう)導(とう)【左ルビ:さ】 引(いん)【左ルビ:すり】なとも妄(みだり)に好(この)むは同じことなり  病家医者を招(まね)く心得 医者(いしや)を招(まね)くに心得(こころえ)あるべき事なり病人(ひやうにん)によりて補(ほ)