翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

(無病長寿)養生手引草 2巻 - 翻刻

(無病長寿)養生手引草 2巻 - ページ 11

ページ: 11

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【欄外】 手引草 上     五 【右丁】 六十をめでたくこゑて七十に いたるを古来(こらい)稀(まれ)なりとて 古稀(こぎ)の寿(じゆ)といふ四十の 初老(はつおい)より養生(やうじやう)すれば古稀にも いたり八十八の米(べい)寿にも いたり紅(べに)の寿(じゆ)の字(じ)のまん ぢゆうを配(くば)るまで猶(なほ)百歳(もゝとせ)も長命(ちやうめい) たらんこと九十歳の京山(きやうざん)がうけ合なり ○養生によりて天寿を延(のぶ)ることを近く 比喩(たとへ)ていはゞ植木(うゑき)屋から 【左丁】 歳暮(せいぼ)にもらひたる梅の鉢(はち) 植(うゑ)を床(とこ)の間におきて新年(しんねん)の ながめとなし植木の中なひも心得たる人なれば水をも程(ほど)よく養(やしな)ひ 又は暖(あたゝか)なる日 向(むき)に出して養ふゆゑ梅(うめ)春(はる)の精気(せいき)を得て莟(つぼみ)のこ らずひらき若葉(わかば)萌(きざす)ころ庭(には)に移(うつ)して猶(なほ)中なふゆゑに枝葉(えだは) 栄(さか)えて来(く)る春も花(はな)ひらき終(つひ)には軒(のき)すぐるまで生(おひ)のびて鶯(うぐひす)の 宿(やど)ともなるなり是(これ)梅(うめ)の天 性(せい)を養生(やうじやう)するゆゑなり養生せざ れば莟も凋(しぼ)みてひらかず若葉も見えざれば塵塚(ちりつか)へ棄(すて)て 鉢(はち)のみ椽(えん)の下に残(のこ)るなり梅さへかくのごとしまして況(いはんや)天 精(せい)を禀(うけ)るの長(ちやう)たる人においてをや養生して 天 寿(じゆ)を延(のぶ)べし 【欄外】 手引草 上