翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

(無病長寿)養生手引草 2巻 - 翻刻

(無病長寿)養生手引草 2巻 - ページ 40

ページ: 40

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【右丁】 加え悟(さと)り給へ心(こゝろ)は山(やま)に入(い)りたる墨染(すみぞめ)の袖(そで)になりしと思ひ給へとの暁(さとし)也 是(これ)所謂(いはゆる)仏法(ぶつほふ)の一第事(いちだいじ)捨心(しやしん)の悟(さと)りなり捨心(しやしん)とは心を捨(すて)ると いふこと也 北(きた)の方(かた)此(この)短冊(たんざく)を枕(まくら)べの屏風(びやうぶ)に粘(は)りて朝夕(あさゆふ)見(み)給ひしに 歌(うた)に感(かん)じ迷(まよひ)を払(はら)ひ悟(さと)りをひらきて御 病(やまひ)癒(いえ)しと沢庵遺跡(たくあんゐせき)と いふ書(しよ)にみへたり○十に臥(ふす)を少(すくな)くしとあるはまづ第一(だいゝち)に朝寝(あさね)をながく するなといふ教(おしえ)也 朝(あさ)は日(ひ)の昇(のぼ)るに随(したが)ひ陽精(やうせい)の盛(さかんなる)時也人は日の陽気(やうき) をうけて生(いき)てをるに其(その)陽気(やうき)の盛(さかり)なるをうけずして朝寝(あさね)する人を養(やしな) はんとて照(てら)し給ふ日輪(にちりん)へ対(たい)してももつたいなく且(そのうへ)に陽精(やうせい)を躯(み)にうけ ざるは大損(だいそん)也 是(これ)多(おほく)は若(わか)き人に在(あ)り明(みん)人(ひと)謝肈淛(しやてうせい)が五雑組(ごさつそ)に 「日午始興鶏鳴始寝(ひるすぎはしめておきにはとりないてはじめていね)《割書:中略》勤以治生者無之(つとめてやうじやうするものはこれなし) 【左丁】 驕奢淫佚反天地(おごりものみもちあしきものてんち) 之性背陰陽之(のせいにそむきいんやうの)                     【図の台詞】 宜莫大不祥焉(よろしきにそむくふしやうこれかのおゝいなるはなし)」                これおきぬか といへり朝寝(あさね)のわろきを                  今にひる 西土(から)でもかくのごとくいましめたり            めしだは 又は酒宴(しゆえん)に夜(よ)をふかし臥(ふし)て房(ばう) 事(じ)を恣(ほしいまゝ)になし朝寝(あさね)をなし四方(しはう)から せめつけて命(いのち)をへらすを楽(たのしみ)とするははかに ぞやつゝしむべしつつしむべし〳〵○十一に慾(よく)を少(すくな)くすと あり慾(よく)とは万事(ばんじ)にわたる文字(もじ)