翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

(無病長寿)養生手引草 2巻 - 翻刻

(無病長寿)養生手引草 2巻 - ページ 42

ページ: 42

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【右丁】 心で心を欺(あざむ)く也 忍(しの)ぶとは怺(こらえ)るをいふたとへば病 癒(いえ)て肥立(ひだつ)ころ医者(いしや)が房(ばう) 事(し)を禁(きん)じたるに真実(しんじつ)に忍(しの)び怺(こらへ)ざるゆゑ病(やまひ)ぶりかへし戒名(かいみやう)になるも まゝあること也おそるべし慎(つゝし)むべし○忍(しの)ぶといふは堪忍(かんにん)なり養生(やうじやう)も堪(かん) 忍(にん)にあり飯(めし)の飣(さい)も二度の魚味(さかな)は一度でかんにんなし三合のむ 酒(さけ)も二合でかんにんなし女も月に二度(ど)か三度でかんにんすれば養生(やうじやう)と なりて精気(せいき)を益(ま)すにちがひなし堪忍(かんにん)は養生(やうじやう)のみにあらず立身(りつしん)する も金家(きんか)になるもかんにんにあるなり○書経(しよきやう)に曰(いう)「必有忍其乃(かならずしのぶことあればすなはち) 有済(なすことあり)」といへり又「大なる過(あやまち)は須更(ちとのま)の不忍起(しのばさるにおこる)」といへり ○養生(やうじやう)は老人(らうじん)の隠居(いんきよ)たりともすこしは身をはたら かすべし食後([し]よくご)は猶(なほ)さらなり呂氏春秋(りよししゆんじう)と 【左丁】 いふ西土(もろこし)の古(ふる)き書(しよ)に「流水(りうすい) 不腐(くさらず)戸樞不螻(こすうむしはます) 動也(うこけばなり)形気亦然(けいきもまたしかり)」 といへり形気とは人の からだのこと也いかさま毎日(まいにち) あけたてする戸插(とぶくろ)は虫(むし)のくふ ことなし是(これ)じやからちとは身(み)を はたらかせ給へ食(しよ[く])よく消化(こなれ)て気(き) 血(けつ)を補(おぎな)ふ蓋(けだし)この教(おし)へは家来(けらい)をめし仕(つか)ふ 人のこと也 下賤(いやしきものは)めしつかひなきゆゑ老(おい)ても身(み)を 【欄外】 手引草  下   三十三