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卓袱料理(しつほくりやうり)之 部(ぶ)
普茶(ふちや)と卓袱(しつほく)と類(るい)したるものながら普茶(ふちや)は精進(しやうじん)に
て凡(すべ)て油(あぶら)をもつて佳味(かみ)とす卓袱(しつほく)は魚(きよ)るいを以(もつ)て
調(ちやう)じ仕様(しやう)も常(つね)の会席(くわいせき)などに別(べつ)にかはりたる事
なしといへども蛮名(ばんめい)を仮(かり)てすれば式(しき)と器(うつは)ものゝ
好(このみ)とに心(こゝろ)を付(つく)る事(こと)専要(せんやう)なり猶(なほ)数品(すひん)調(ちやう)ずる
内にけんちへん或めづらしきよせものしんじよ魚(きよ)でん
なぞに珍(めづ)らしく佳味(かみ)なる品(しな)を工夫(くふう)する事(こと)を好(よし)
とする也 但(たゞ)し普茶(ふちや)は下戸(げこ)の好(このむ)もの卓袱(しつほく)は酒(さけ)を
進(すゝむ)る仕(し)やうと心得(こゝろえ)て吉(よし)大(おほ)よそ蛮名(ばんめい)ゆへに調(ちやうず)る
品(しな)も唐(から)めかしたる事(こと)と心得違(こゝろえちか)へて一向(いつかう)酒(さけ)の進(すゝ)ま
ざる品(しな)のみにする甚(はなはだ)しきたがひなるべし
第一
大菜皿(だいさいざら)
蒸海老(むしゑび) 《割書:車海老(くるまゑび)かしらをとり尾(を)の方なまにて皮(かは)を|むきせいろうにかけてしほむしする尤大くるま|よしあつき内すり上 ̄ケて出 ̄ス也》
伊勢干瓢(いせがんぴやう)《割書:みしかくきりかつをぶしたく山入うま煮(に)に|してつけあわせもる》
第二
小菜皿(せうさいざら)
けんちん《割書:仕様(しやう)は前(ぜん)へんにくはしく有(あり)但(たゞ)し大まき|小口切にしてあぢ付すぎなりに|もり出す》
同
若鰷(わかあゆ)《割書:なまにて七はい酢(ず)につけ置き出す|時あけてふきんにてよくしとりを|とり尾かしらをそろへてもり花がつ|をかけて出す| △七はい酢の仕やう末に出 ̄ス》
同
玉づさ《割書:からす瓜(うり)のたね也ごまの油にていりて|あち付る》
たいらぎ《割書:うすくへぎいろ付やきにするこげめ|よきほどにすべし》