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なめて退ぞかんが為也此故に又家の入口二段三段の巣には蜜を作る事
なし是盗賊と成て来る族どもを空しく帰さんが為也
去ば巣を造るには最初に先蜂王の巣を作る也此巣は余に超て大き也
まはりには築地をつく也而じて後面々の巣を作り双ぶるに其巣のなりは
一様にして六角也次又郎従等が為にも作る也郎従と云はざんがあのとて
余の蜂よりも其せい大なる蜂也然ども郎従なるが故に彼が巣をば
小さく造る者也
作事造畢しぬれば則蜜を作る也爰に不思議なる事あり老たる
蜂どもは主君の前後に並居て蜜を作る事なしゆく時はともにゆき
帰る時もともにかへり君の前後を囲遶する体也角て相残る蜂を
二手に分ち功者と覚しき蜂どもをば巣の内に残しをき若手の
蜂は野に出て万の草の花々を尋求め蜜と蝋とを作るべき道具を
四足の股に取付て運び来る也其時役者の蜂ども出あひ或は荷物を
下すもあり又下したるを請取て巣の内へ渡すもあり郎従なるざん
があのどもは只食物を尋求め或は水を汲来て蜜を造る蜂に与へ其
困れを補ふ也此等が水を運ぶを見るに器をば持ざれども其才覚に
不足なし面々が身の上に薄き皮のやうなる物あるを水に浸し又
【枠外右 十八ケ条】