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さんばじりよ是を証拠としてじゆいぞの日一切の人間活るべき事を
教へ給ふ也加程小さき虫の種にさへ命を与ヘ給ふ ds は人の白骨に再び元の
命を与ヘ玉はん事何の御造作か有べきやと宣ふ也去ば此虫生を
受れば則人より彼が餌食として桑の葉を与ふる也かれ群りて是を
喰ふ事夜を日に継で絶間なし日数経て後少し寝入て喰ひ置
たる食を消するかとすれば又起上りて喰ふ也喰ふては寝寝ては又
食し如此二三度も過ぬれば其身定まれるせいになる也角て糸綿を
作るべき時至れば全く食事を留めて其営みを事とする也先頭を
上てあたりを見まはし糸をかくべき木の枝を窺ひ則蠒【繭】を作る也其
分野誠に奇妙不思議也毛よりもほそきいとすぢを腹中よりくり
出して幾重ともなく引まはしくりかけ透間もなく編立終に自ら
纏褁して其蠒を成就する者也さて其手涯の美しく堅き事を
いふに蠒を水に入るゝといへども其内に少しも水の通ずる事なし
いとを引かんとては先此まゆを湯に入て暖めほとばかさゞればいとを
繰とる事も叶ざる也又明年の種として残し置くまゆを見るに
是亦不思議の一事也其内に籠り居時到れば蚕己れとまゆを喰ひ
破りて出る也其形以前に替りて小さき角と翼あり即彼等が夫妻
【枠外左 初巻四十九】