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あひあふてかたらひをなし其後夫は軈て死し妻は跡に留りて芥子
よりも小さき種を産置也又是も産終りぬれば軈て死する者也爰を
もて見るに ds 蚕を作り置給ふ事はいと綿を作らせ給ひて人間に
与へ給ふより外別の謂れなしと見えたりさても有難き御内証哉
富貴の人の身にまとふ綾羅錦綉といふも何事ぞ只此虫のひとへに
営む所に非ずや汝此等を着しながら御与へ手の御恩を尊まずんば誠に
無懺の至り也
§ 人に仇をなす小さき虫の事
茲に人有て云べし ds 下界の万物をば人の為に作り給ふ事分明也と
いへ共仇となる小虫多き事は何事ぞ夏の夜の蚊と蚤は睡眠の人を
苦しめ昼の困れを補はんとするに障碍をなす事甚し如此の虫の
類ひを作り給ふ事いかんと答て云く ds 人を作り給ふ初めには如意満
足の位にして有情非情を司どり如何なる禽獣虫魚とても害を
なすものなかりし也然に人御作者の戒を破り不順の身と成し
より以際死苦病苦を先として小さき虫の類ひまでも人間に仇を
なす事初まれり是即破戒の身に於ては相当の御罰なりとしる
べし人は ds の尊前にをひてむしにも足らざる身を持ながら御戒を
【枠外右 十九ケ条】