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者也日を経て其鳥の腐りたる肉より一ッの虫湧出て次第ゝゝに成
長して後には翼出来り元の如くの鳥となる也彼も同く数百歳を
経て後時到れば件のごとく薫薬の中にて死し又虫生じて鳥と
なり更に此へいにす世に絶る事なしといへり爰をもて御作者の
御力御自由自在なる事明白也万の鳥は雌雄相かたらひてこそ類々を
相続する事なるに此鳥の上をきけば誠に奇妙不思議也又此一鳥は
生涯の間曽て猟師の手に懸る事も有べからず世に一ッの外はなく
して末代までも絶る事有まじければ也
一鹿の群りて大河を渡る時は一行に連りて跡なるは先なる鹿の尾の
上に頭を持せて泳ぐ也真先に立たる鹿は頭を休むる所なきゆへに河の
面遠くして草臥ると覚ふれば次の鹿に先達を譲りて彼は第一
跡なる鹿に頭を持する也如此互に力を合せ辛労を配きて如何なる
河をも渡る者也狼の漲る河を渡るもせき落されじとて跡なるは先
なる狼の尾さきをくはへ一行に連なりて衆力を合せて渡るといへり
鶴の寒国を去て暖国に移りゆく時海をとびこし渡る時は各群りて
三角に陣をなし一方の角なる鳥を先に立跡に連りたるは次第々々に
先なる鳥の脊に頭を持せてとびゆく也是を以て衆力を合せ身を軽め
【枠外右 二十ケ条】