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たる時は見物の貴賤愀れ果たりといへり時にあれしあんでれと申す
御帝も是を叡覧有て奇異の思ひをなし給ひ誤ても此鳥を害
する者あらば罪科に処せらるべしと綸言を下し給ふと見えたり
去ば諸の禽獣の羽毛といふは己れが飲食の糟より養ひ出す者也正味は
血気と成て骨肉を補ひかすは羽毛を生じて身を覆ふ者也然るに
孔雀の用る餌食のかすより加程美しきいろどりをなす事誰が業
ならんや鳥の自業には有べからず又毛の自然ともいひ難し心を留て
思惟せば其根元にもとづくべし
第廿一 人身の上を論ずるの序
天地万像を大世界と号し人身を小世界と名付る也是万物各々に
備はる徳儀を人の一身に具足する故也去ば大世界の徳儀を知る事
御作者を見知り其御善徳を少々弁へ奉る便となる儀なれば粗右に
論じ畢ぬ又小世界の枢り四肢百節五臓命根以下の徳儀を知るも
同く御作者の御智慧御力御慈悲等の至善至徳を窺ひ奉る為の
大なる便りとなる物なれば略して左に記すべし先爰にをひて
【枠外左 初巻五十三】