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翻刻
第廿二 一身の下地なる骨節の事
人身建立の下地は骨也故に先一身の上を沙汰せんには骨のあやつりを
細砕論ずべき事可也然といへ共是微細幽玄なる事多ければつぶさに
爰に載る事能はず縦ひ長説に及ぶと云ふ共読誦の人分明に納得
する事叶ひ難し所以者何医道を学ぶ人は書に向て師の講釈を
聞といへ共至理明らめ難きが故に図経を用る者也是にてもいまだ
足ぬとせざる験として上代の学者は猿と猪との五臓は専ら人に
似たりとて是を割て見たると也近代は尚も不審しき事有とて
直に人身を割て見ざれば明らかならずといへり加程分ち難き骨節の
あやつりなれば微細なる所は暫く閣き大底のみを略していふべし
人身は頭上より脚下に至るまで段々の骨を組上て連立たる者也
其骨の数は大方右に云ひし如く三百余段と見えたり此等をくさり
合するは如何にも強き筋也骨々互に相連なる所は凸凹ありてきり
くはせたるがごとし而も強き筋をもて緊しく搦付るが故に小縁にては
離るゝ事を得ず又動かずして叶ざる骨の節々は鍛冶の作れる
【枠外右 二十二ケ条】