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てうつがひの如くにして用に随て搦めたる筋にも屈伸の差別あり
爰をもて起居動静の自由を得る者也而じて内には五臓を含み骨の
上をば皮肉にて覆ひ其中には経絡の通用ある者也此一身の大底を
家屋に喩ふれば股と脛とは柱のことし足は是礎なり脊骨は棟木に
等しくして其より横に双びたるだん〴〵のあばら骨は棰木とも
云つべし惣て骨の上に覆ひたる肉は壁をぬりたる土のごとし白皮の
いろどりは上ぬりの白壁に似たり嗚呼奇なる哉妙なる哉三百余段の
骨の数々大小長短の寸尺聊もあやまたずそれ〳〵の用に随て出
来る事は誰がなしける所ぞや誰か母胎に入て此墨かねの差図をば
なしけるぞかほど手を籠たる造営は誠に上手の巧匠にあらずんば
叶べからず能々是を思惟すべし
第廿三 あにまべぜたちいはに付て心得べき条々の事
左に論ずべきべぜたちいはの精根に付て兼て心得べき条々あり
一人間のあにまは一体にして而も三ッの精根あり一ッには己れがたくする
色体を養ひ巣立る精根を名付てべぜたちいはといふ也二には其托する
【枠外左 初巻五十五】