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人の全身に蔓る也上は頭の頂き下は足の趺左右は十指のつまさき
までも至らずといふ所なし喩へば一の木の本より大小余多の枝
繁茂するがごとし是則経絡也此経絡のうつほなる中を血は余の
三つ共に混じて肝より出て廻る也然るを皮肉百節はあたらくちいはの
精をもて己れ〳〵に相応の分を引取て身を補養する者也喩へば肉は
をのれが性に随て温湿なるを引けば骨はわが性に応じて冷燥なるを
引とり骨肉それ〳〵のやしなひを取て余残のかすは髻髪其外
身の毛となる也去程に肝より全体にくばりたる養ひの余りも無益
にはならず定りたる臓腑に納帰りてそれ〳〵の用をなす者也先黄水は
胆の腑に納まる也
胆の腑は其在所則肝の傍なれば通用する細すぢありて黄水を肝
より引取て己れに納め而も己れが養ひとする也若此通ふすぢに
滞りあれば黄水胆の腑に至る事叶はずして全体にうち散り
病となり人の色黄になるなり是を黄疸の病といふか又胆より大
腸へも通ずる道あるが故に黄水大腸へ下りて其精を施せば大腸則
騒動して痢を通ずる者也黄水かしこに至らずんば大腸は自ら糟糠を
出し捨る力なき者也さて又めらんこりやは脾の臓に納まる也
【枠外右 二十四ケ条】