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人の二の指にてつまみたるがごとし用ある時は自ら開け用なき時は
塞がる也此閉開も又人の望みに任する事右に劣らぬ奇特也遶
心は是五臓の王たり故に諸臓是を囲遶す其性極熱にして寿命の
温気を一身に施す者也然に心の臓の中には二の空所あり先肝の臓に
残し置たる清血を一の空所に引納め心の熱精をもてねりきたひ
次の空所に移す時又そこにてます〳〵ねりきたひて終に上品の清
浄の血となるを名付てさんげあるてりあるといふ也此上品の清血
より又心の熱精を受て以て出る気有をすぴりつびたると号する
なり是即寿命の気といふ心也人の生ある態をなす事は全く此
すぴりつびたるに依る者也故にすぴりつびたるは彼さんげあるてり
あるに伴いて全体に定りたる道をもて行渡り一身に寿命の働きを
なさしむる者也喩へば肝の臓より身を養ふ血を賦には道となる
経路皮肉の中間にみち〳〵てある如く心の臓より寿命の気を全
身にくばる為にも又定りて経脈の通路あり是をあるてりあと云也
其根本は心より出て上下二すぢにわかる也一すぢは心の臓より上をさして
昇り頭上に至り左右にはびこる也今一すぢは心より下をさして降り
其末枝足の趺まで至る也此経脈のうつほなる中を右にいへる上品の
【枠外左 初巻六十一】