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なる事は人畜の勝劣を分たんが為也去程に此せんちいどは元より色
相なりといへ共右の二よりも其性尚すぴりつに近し故に色形を
離れたる徳を持也喩へば羊は犬を見て恐れず狼を見て恐るゝ事を
何ぞといふに犬は味方也狼は敵なりと弁ふる故也去ば敵味方の差
別は色形の理に非ざれども羊是を弁ふる事はゑすちまちいわの徳
なるによて此せんちいどを別の二よりもすぴりつに近しといふ也
第四番のせんちいどはめもりやと号する也是外の五つ内の三つをもて
識知したる程の事を悉皆請取て納め置精根也此めもりや禽獣
にも少しは有といへ共人倫に達して備はれり是又御作者より与へ給ふ
無価の至宝也所以者何国を治め家を保つ人先例鑑みて未来の安
危を量り学文をする人の先師の学徳を習ひ得て後代の人に伝へ
故きを温ね新きを知るも皆以て此めもりやの徳用也加之後生の
勤めの為の至徳是より出る事不可勝計
第廿七 外のせんちいどの事
外のせんちいどゝは眼耳鼻舌身の五根也此五つはそれ〳〵に相応の境界
【枠外左 初巻六十四】