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ありて根境合体して識をなす者也然ば諸根の中に第一勝れたるは
眼なれば是より初めて論ずべし先眼根に対する境界といふは諸の
色形と光明也然るに眼と境界とは間を隔てざれば見識する事
叶はざるが故に諸の色形ある物は己れが体に全く替らざる写しを不
断風中に出し置者也証拠をみんと欲せば鏡中の影像をみよ鏡を
開きて花鳥に向ふれば其花鳥の形像忽然として鏡中に顕はるゝ也
是を何ぞといふに風中に通徹する花鳥の写し堅固なる鏡に押
隔られ融通する事叶はずして鏡の面に移り留る故也然らずんば
鏡中の花鳥は何国より来るべきぞ然ば外より如此の境界の影像
見え来て眼の瞳に写れば頭中よりは又右にいへるせんちいどこむん
より双眼に続く二の筋ありて其中をすぴりつあにまる伝ひ下りて
瞳に精を施すを以て根境合体して眼は物を見る者也其時見たる境
界の面影彼二の筋の中より上りてこむんに至りこむんより又
段々に奥のせんちいどに移り行事右廿六ケ条にいふが如しさても
御作者の御力は量りなき者哉人は一枝の花を画んとするさへ衆色を
集め時刻を移して漸々に書出す事なるに諸の色形ある体は衆色を
からず時刻を移さず頓速自然に己れが形像を風中に写し出す精
【枠外右 二十七ケ条】