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鼻孔に至り件のしべのご如くなる肉に当る時根境合体して人は香を
嗅者也去程に鼻はにほひをかぐのみならず息風出入の門戸となり頭
脳の湿痰を下す水門ともなる也喩へば水土の二大より空に上る気は
雨と成て降るごとく人の身よりも不断頭を指て上る湿気あれば必
下らずして叶はず是を下し捨る水門は則口鼻の二也
第四は舌根也其境界は衆味也舌根にもすぴりつあにまるの通ふ
筋竪に二ありて横に数枝をさす也上に覆ひたる肉は小穴充満して
味ひと筋に通ずる也此肉常に潤ひを具して万の味ひを離れたり若
舌に自分の味ひあらば衆味是に同じて五味の差別をなすべからず
熱病の人甘きを喰て苦しと覚ふるは其舌に苦味有が故也
第五番目のせんちいどは身根也是は寒熱湿燥堅軟麁細等を境
界とする也此せんちいどは前の四に替りて定りたる所なく全体に
充満してある者也故にすぴりつあにまるを運ぶ筋も頭上より脚下に
はびこりて至らずといふ所なし是又御作者の忝き御計ひ也
然らずんばせんちいどに非ざる所は水火にふれ白刃に当るといふとも
其難を覚えずして身を守る事叶ふべからず去ば右眼耳鼻舌身の
五に付て奥義多端なりといへ共略して茲に記さず
【枠外右 二十七ケ条】