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第廿八 せんしちいはの精根より出る十一のぱいしやんの事
右内外のせんちいどの外に又せんしちいはの精根より出るぱいんしやんと
いふ物あり是を何ぞと見るにせんちいどをもて境界の好悪を識知
する時身のために相応したる境界をば即寵愛しもとめん事を
望み又身の為に不相応なれば忽それを憎み嫌ひ避けんと思ふ類ひの
品々の情心の臓より発起するを押束ねてぱいしやんとは名付る也
此等のぱいしやんの起る次第をいふに先境界を織知する時最初に
起る心は愛すると嫌との二に一也己れに相応する境界なれば即是を愛
する心発り己れに相応せざる境界をば嫌ふ心起る者也如此愛すると
嫌ふとの二を根本として又四のぱいしやん相続する也一にはあいする
境界を未求め得ざる間は必それを恋慕ふ心出来る事二には求め得
ねれば即喜び楽しむ心出来る事三には又嫌ふ境界の未身の上に来ら
ざる間は是を猒【厭】ひ荒む心の発る事四には漸く来りぬれば即歎き悲む
心の起る事都合其数四也是に又根本の二を加ふれば合て六のぱいし
やん也是を名付てこんくびしいべるの六のぱいしやんとはいふぞ此等の
【枠外左 初巻六十六】