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ぱいしやんは生類の身を養ひ命を保つべき為になくて叶はざる
肝要なる者也其故は境界の好悪はせんちいどを以て識得すといふ共
好きをあいし悪きを嫌ふ心なくんば追求遁避の二精も有べからず既に
追及遁避の心なくんば身命を保ち養ふ事も難かるべし爰を
以てぱいしやんは肝要なる事明也
さてまた右六の外にいらしいべるのぱいしやんとて五あり此五は身に
相応したる境界をもとめ得んとするに障り出来る時起る精也
其次第をいふに先もとめんとする境界に障りありて求め難ければ
如何様にも是をもとむる道なくて叶ふべがらずと頼母敷思ふ心出来る
事是一つ若障り深ければ終に求め得る事叶はじと力を落す心の出
来る事是二つ又障碍多しといへ共求めんと欲する望み深き時は精誠を
尽さんと思ふ勇猛の心出きたる事是三つ又欲する望み深しといへ共
障碍剛ければ恐るゝ心出きたる事是四つ又求めんと精誠を■【竭ヵ】す中
にも或ははや求め得て後にも是を奪はんとする者あれば乍に憤る
心の起る事是五つ也此五も又生類の身になくて叶はざる儀也故を
如何にといふに一身補養の為に肝要なる境界の中に求め易きも
あり又もとめ難きも有者也求め難きをもとむべき為には必もとめ
【枠外右 二十八ケ条】