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ゆへにそれを望む心に惹れて正に帰し悪事は必恥辱を招く物なれば
はぢを顧みて邪を制する事常尋の慣ひ也中にも女人は生得物を
恥る気色深きがゆへに其気にひかれて悪を退く事多し例を上古に
訪ふにぷるたるこの記録に見えたるは昔げれしやの国に何の謂れ
ともしらず若き女人余多自害する事あると也如何に制すれ共
此恠事正む事なかりければ或賢人謀て新式を置けり自今已後
自害したる女をば貴賤を隔てず其死骸を裸にして人前に恥を曝し
而じて後に葬むるべしと也此よしかたく万民に披露しぬれば
恠事忽に留まて自害する女一人もなかりしとぞ是屍の上にも
はぢをさらさん事を深く痛むが故也爰をもて見るに恥辱を顧み
誉れを慕ふ計は真実の善に非ざれ共翻邪帰正の便りとなる事
疑ひなし爰に今一つ心得べき事ありぱいしやんは本来其自性善にも
悪にも非ざれ共用ひによて善悪の名を得る者也喩へば愛すべきを
愛し憎むべぎを憎むときんば憎愛ともに善となり愛すまじきを
愛し憎むまじきを憎むときんば憎愛ともに悪となる也他も准之
然れば此差別を分つ事はあにまいんてれくちいわに備はる智慧の役
なれば其智の光を先立てぱいしやんを進退せば善に違ふ事有
【枠外右 二十八ケ条】