← 前のページ
ページ 171 / 202
次のページ →
翻刻
ds 与ヘ給ふごとく人間のあにまも御作の初より与ヘたまはざる謂れは
安如の体は色相に和合してせんちいどの道より此ゑすぺしゑを求め得る
事叶はざる体なるがゆへ御作の初よりそれを智内に作籠め給ふ也
人間のあにまは是に替りて色身に合体して色身のほるまとなる物
なれば存生の間にせんちいどの道を以てゑすぺしゑいんてりじい
べるをもとむる事叶ふが故に御作の初より是を与へ玉はざる者也
然ばいんてれきと此ゑすぺしゑいんてりじいべるを求得る次第を
いふに先最初には色声香味等の外の境界より現来する写しを眼
耳等の五ッの門戸より頭中に受とる也其後内のせんちいども亦
各自分の精力を以て外より受とりたる写しよりも尚菲薄なる
ゑすぺしゑを重々に生じ出す也此て是等のゑすぺしゑは漸々に薄く
なりて終に色相を遠離する時いんてれきとは自分の精力を以て
其ゑすぺしゑの内よりすぴりつあるゑすぺしゑあびつあるを生じ
出す也さて如此のゑすぺしゑにうにべるさるなつうらは現ずる者也
然じていんてれきとは此等のゑすぺしゑを受とりてうにべるさる幷に
ぱるちくらる事のあくつある写しを生じて智弁をなす者也喩へば
眼は向ふ境界の写しを受て見識を成ずるがごとし爰を以て見るに
【枠外左側 初巻八十】