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いふは右の開解にいふ睡眠の気漸々に薄くなりむらぎえすれば平生
内のせんちいどに写し置たる万のゑすぺしゑは所々に顕れあらわれ
ては亦隠れ悉皆隠るゝにも非ず悉皆顕はるゝにも非ずして喩へば
雲間の月を見るがごとし或は紙面に記す文字の多分はきえてところ
〳〵に残りたるを読つゞけて見れば又文章の義理雑乱して聞え難に
似たり此故に夢見る人は海上に車馬を馳せ山岳に船を乗り人身に
馬頭を具し馬頭に牛角を見る事あり是則人の夢みる謂れなり
極睡に夢なきも亦以此故也然にいんてれきとはじゆぢしよとて
虚実を糺す徳あれば夢の迷ひを即夢中にも弁ふべきに其儀
なき事いかんと問はゞ其開き多し先夢みるときもいんてれきとは
いつも迷ふに非ず夢を則夢と弁へ現に非ずと顧る事度々夢中
にもある者也如此明めはじゆぢしよの業なる事明白なれば夢中
には曾てじゆぢしよなしといふべからず若又如此の明めは夢見る毎に
なし多くは迷ふのみなりと云はゞ答ふいんてれきと万の義理を糺す
には必せんちいどのゑすぺりえんしやを踏とする也然に夢見る人は
外のせんちいども全く塞りさて外の境界の実否を糺すせん
ちいどこむんも別して雲雰にとぢられて明かならざれば踏とすべき
【枠外右側 二十九ケ条】