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体なる事右条々に分明なれば不滅の儀も又うたがひなし故に今爰に
再論するに及ばず去程にあにまの不滅なる所は右明白の道理の外に
又余多の験もある物なれば此等を少々挙ていふべし一には万国の
人間押並て名を惜み誉を後代に留めん事を望み又此身滅して
よりも後生やあらん然らばいかゞせんと気をつかひ心を尽す事是先
あにま不滅なる験也もし人も禽獣に等く現世一旦のみにして
末世に留□る体なくんば何ものか名を惜み何ものか命終して後の
事をば嘆くべきぞ然に人倫は誰教るとしもなけれども万国等く
をのづから如此の心を生付くは必しも末世に残る体有が故に彼が為に
名を惜み其行末を慎みて末世の気つかひをもする者也是今一の験也
又 ds 御作の万物を観ずるに賎き有情非情の類に命ながき物多し
象の命は二百歳に及びへいにすといふ鳥は五百歳を保つといへり松樹を
先として数百年を経ても猶いまだ緑なる木は種類あり天は永劫
不滅也四大も又如此し爰にをひて万物の霊長たる人間の齢を見るに
僅に百年をさへ備るもの稀なり生とし生ける類の上に第一と
するは寿命なるに万物の司なる人間の齢賎き樹木禽獣にさへ劣
れるは是御作者の不足と云べしや蓋し御作者に不足有事叶は
【枠外左 初巻八十六】