← 前のページ
ページ 184 / 202
次のページ →
翻刻
ざればいかさま人は現世一旦の寿命の外に果る事なき命を持ずんば
有べからず是亦あにまの不滅を顕す今一ッの験也又 ds を緒善諸徳
円満の尊体なりと弁へ奉れば人間は来世にとどまる不滅のあにま
なくて叶はずと見る者也所以者何俯して下界の荘観を見るに
仁者もあり不仁者もある也然に仁者は貧賎にして不仁者は又富
貴く仁者は苦痛逼迫して不仁者は楽み栄ふる事多し又仰で ds を
窺ひ奉るに万徳すでに円満なればかならず憲法の善も備はり
給ふべしさて憲法の一善は賞善罰悪を以て徳とする物なれば ds は
賞罰厳重に在まさずして叶ふべからず然る処に現在にて仁者を
賞じ不仁者を罰し給ふ事稀なるは是一ッの不審也蓋し ds には憲
法の善なしとせんやなしといはんとすれば万徳円満也ありといはん
とすれば賞罰を見る事希有也茲にをひて観ずるに是即人倫
には不滅のあにま明白にある験也其故は御憲法の善徳に不足なか
らんが為には現世の賞罰なしといふとも来世にて是を行ひ給ふべし
来世の賞罰を受べき為には亦人倫に不滅のあにまなくんば叶ふ
べからず爰を以て ds を見知奉れば不滅のあにまはをのづから顕然する
者也去程にいんてれきつあるあにまの不滅なる道理証拠を論じ畢て
【枠外右側 二十九ケ条】