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なして身に纏へば尚其美麗を増すがごとし是其錦綉の宛所に付が
故也其ごとく御作の物の宛所は御主を見知り奉る為なれば其にあてがひ
奉りて工夫を懲すにをいては弥深き観心の種となるべき也是によて
善心ある人は天地を先とし千草万木の上を見ても一ッとして心を
慰めずといふ事なし
§ 二
去ば善心なる人に限らず往昔ありすとうてれすといふぜんちよの学
者も是を観じて楽しみを得たり故にゑちかすといふ書に云く学者の
上のたのしみは深しと此心は最上の智慧と云ふは御作の物を梯として
昇り奉る観念なれば也
去ばぴりによといふぜんちよの学者を初め其外の学士も御作の物に
籠る徳儀をよく弁へ其理りを記し置といへ共 ds に当り奉る敬ひをなさ
ざるが故にさんぱうろ是を諫め給ひて Qui cum cognouissent Deum, non sicut
Deum glorificauerunt. Rom. 1. 御主を見知り奉れ共 ds に当り奉る敬ひを
なさずと宣ふ也きりしたんは是に替りて御作の物の奇妙なる所を
見ては其本を尋るぞ喩へば鳥類畜類の子を巣立身を養ふ為に各々
相応の巧みをなすを見ば則其力を与へ給ふ御智慧の源へ心を移し
【左枠外に 初巻 四】