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立たる物松明の火よりもちいさければ其より出る影は漸々に狭くなり
て終には消失する者也爰を以て光を障る体光の出る体よりも大
なる時は其影は末びろになりゆき光を障る体光の出る体よりも小さ
ければ其影は末ほと狭く成て遠く至らざる事眼前の例也今是を
踏として日輪と大地との大小を量るに日輪西山に傾て此土の下を
廻る時水土の二大は日の光を障が故に其時此土は闇と成る也然に此
かげの末はひろくなるや狭くなるやと見るにせばく成行て其末の
かげはやう〳〵一番の天まで届きて二番の天には行届かずさて
月輪は一番の天に有が故に彼天にゆき届く水土のかげに月輪廻り
当る時月光少暗くなるを月蝕とはいふ也去ば此かげ二番三番の
天までも至るに於ては二番の天に備わるめるくりよといふ星も
三番の天のぺいぬすも時としては蝕すべけれども古今いまだ其儀
なければ水土のかげは二番の天にさへ行つかずして消失する事明白也
然則日輪は水土の二大よりも其体尚大なる証拠分明なる者也去ば
其大さを如何程ぞといふに右にいふごとく水土の二大を一百六十六合せたる
程也かほど大なる体なれ共廻り脚の速なる事喩ふべき物下界に
なし其を如何にといふに日輪の朝に出るを見るに東の山の端より見
【枠外右 三十ケ条】