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六畜象馬の類ひをもやしなひ巣立給ふ為に山野に彼が食物を作り
をき給ひ人は万物の霊長と定め給へば此等の群生を初として国郡
聚洛を進退し天下を掌に握る事さても忝き御恩かなと御作者を
欽め奉らずんば有べからず又海中にすむ異形不思議の魚類までも
皆此証拠となる者也或は貝をおほひにして石につきたるもあり又風大を
見るにも奇妙不思議なる事多し或時は湿気平生薄く昇り或時は
厚く昇て雲となり雨と成て世界をうるほす扶けとなる事是皆
人と養育の為也此等の事を見ながら誰かは自然なりといはんや又仰て
天を見るに三光歴然として人の心を悦ばしめ昼夜更に止時なく
世界を廻るを以て日夜を分ち月を累て歳をなし四時行はれ百物生じ
飛花落葉の転変をなす也日の蝕し月の蝕するも又年に応じて
寸分を違へず衆星の数つもりがたしといへども常住変ずる時なし
北計南計は万里を隔つといへども大海を渡る目あてとなり其外の
諸星は各下界の万物にそれ〳〵の性を施し巣立る者也又日輪の陽気は
至て極熱のもとなれども下界に仇をなさず却て万物を巣立行
事は御主の計ひ給ふ処也万民是を驚かざるは常に見馴るゝ故也是等の
事争が其治手在まさずして有べきや此次第梯橙をもて貴き
【枠外右側に 三ケ条】