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書出す事叶べきぞ是を見て自然とは何事ぞ喩ば旅客の宿と号
して大なる館を建立し座敷を搆へ家具を調へ飲食潤沢にして万
事闕たる事なく調へ置旅客を請し留めんに彼旅人は是を見て此旅
宿は只山より土の崩れ落て自然にありと云ば笑ふにたえたる事なる
べし世界も亦如此汝仰で天の三光を見伏て地の万物を見よ如何なる
内裡仙洞よりも遥に勝れたる造営にあらずや天井は月日星をもて
彩り飲食は限りなき山海の魚肉山野には木の実草の実多し
又海中は魚類の為風大は鳥類の為山野は獣の為也是皆人間の用
所を叶ふる家具となるぞ其造営の家主を知ざる事は誠に愚癡の
至ならずや古ぜんちよの学者も此等の御作者御治手在ますと云事を
明に知る者也さるも十八に Cæli enarrant gloriam Dei, & opera manuũ eius annuntiat
firmamentum. Ps. 18. 天は ds の御名誉を顕し同く天の造営は御手の御所作を
ふるゝといふ語也
§ 三
去ば広大なる世界の治りを見て御作者在ますと云事は申に及ばず只
我等人間の一類計を見ても御作者ありと明に知れたり是に付さんと
あぐすちいの人に対して ds 作り給ふ御奇特の中に第一の奇妙は人也と
【枠外右側に 二ケ条】