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為には夏三月へれまの為には秋三月めらんこりやの為には冬三月を
定め給ふ也故に春は温湿にしてさんげを補ひ夏は熱燥にしてこうれ
らを補ひ秋は冷湿にしてへれまを補ひ冬は寒燥にしてめらんこりやを
補ふ者也如此四季に分ちて右四ッの物を補ひますをもて其和合平等に
して息災勇健なる者也又四節は五穀草木の菓実を結ぶ為大
要となるぞ冬は空の寒さを猒【厭ヵ】ひて草木の精気根に集るが故に青
陽の春来て花咲実のる事安く夏は天の気熱燥なるをもて菓
蓏の冷湿を除ひて成熟する基ひとなり秋風起れば草木の葉
黄ばみ落て其精漸々に根にかへり明年に結ぶべき菓実の用意をなす
者也五には草木に限らず禽獣虫魚も四季に随て繁昌する者也
爰を以て観ぜば誰か御作者の御慈悲を驚かざらんや誰かかゝる御
慈悲を尊まざらんや四季の転変有をもて年毎五穀草木の実を
結び禽獣虫魚の繁昌をなす事万民の養ひより外別なし是に
よてだびつさるも百三に Quam magnificata sunt opera tua Domine. Ps. 103. 如何に
御主御所作はさても広大なる哉と声を揚て尊ひ給ふ也六には四季の
移り替る次第を見るにも又御作者の深き御慈悲顕れ給ふ也惣じて
人はゑすてれもとて諸篇の極めより極めに移り替る事を難しと
【枠外左側に 初巻十八】