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四大の其一ッづゝに二様の性を御作者より与へ給ふ也先地大には燥と寒
との徳用あり水大には湿と冷との徳用あり地の燥と水の湿は其性
敵対ふ物なれ共地の寒と水の冷とは相応するが故に地水の二大互に
損亡する事なし又風大には湿と温との徳用あり水の冷と風の温は
其性相戦ふといへども風大も水大も湿性あるをもて二大相応する者也
火大は熱と燥との徳用あり風の湿と火の燥は互に敵対ふ性なれ共
風の湿と火の熱相応するが故に風大と火大相戦ふ事なし如此四大の
性は互に敵対ふといへ共又相応する性をも御作者より与へ給ふを以て
世界穏に治まる者也又四大の上に奇妙なる事あり物によては作を
亡す為に大なる力ありといへども作よりなす態を防ぐ力は弱し又物に
よては作の仇を防ぐ力は強しといへども作に仇をなす力は弱し爰を以て
四大又平等に和合する者也此例しは火大の上に明に見えたり物を焼には
強勢なりといへども水に逢ては其仇を防ぐ力弱きがゆへに輒く消滅
する也地大は作に仇をなす為には力なけれども地を亡さんとするを防ぐ
為には強き力あり故に水火風の三大地大にあらく当るといへ共亡ぶる
事なし此故に四大は常住滅せざる者也其上四大は御作者より其々に
定め置給ふ所に有て乱るゝ事なし若抂【枉】て別所にあれば少の隙にも
【枠外左側に 初巻二十】