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翻刻
第七 風大の事
今までは四大の上を押並て論じぬ是よりは四大の上を各々に顕す
べし先風大より始て云に風に奇妙なる徳儀余多あり一には風なくんば
人間を先として空を翔る鳥地を走る獣も命を続く事有べからず
其故は風大の徳用をもて人畜鳥類ともに口鼻の息の通ひをなし
胆のあたりを涼しめて生を保つ者也此湿の潤ひを受ずんば人畜
ともに存命少も叶べからず去ば風は立居起臥ともに専用なる者也
是風の一徳也二には日輪の光を得る道は風大也日は風大に其光を移して
下界の万物を照す也風大なくんば日の光を受る道も有まじければ
天が下は皆闇たるべし三には地大水大の上に日輪の陽気甚しき所をも
風是を涼しむる者也四には此等の徳儀より尚勝れたる事あり其を
分別する為に風大は ds の御定めを以て上中下の三にわかると心得よ
一には上部の風大は火大に隣るがゆへに至て熱き者也二には下部の風大は
地水の二大に隣るを以て温湿也然共炎天の時分は日輪の陽気地大
水大に指当りて風中に還るがゆへに温熱となる也三には中部の
【枠外左側に 初巻二十一】