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風大は至て寒冷也所以者何上部の熱勢と下部の温気とに風中の
冷気攻よせられて中部の風大に悉く集るがゆへに甚極寒なる者也
喩へば冬は外の寒気甚しきがゆへに陽気土中に集て井底
温かになり夏は外の熱勢深きによて陰気土中に入て井底は冷かに
なるがごとしさて ds 風大を如此分ち給ふ事を何ぞといふに中部の
風大より雨露霜雪の恵みを下して土を肥し草木を養ひ玉はんが
為也然ば雨露の恵みといふも風大の徳也
去程に露霜雪の上を暫く閣きて雨をば何ぞと見るに雨といふは日輪の
精気を以て湖海の水気を引上げ彼極寒の風中にて凝堅り
而じて雨となり降る者也喩へば醤酒を醸するに火気を以て其酒
気をのぼする時甑子に冷水を入て上に置ば其酒気こりかたまりて
醤酒と成て滴るがごとし去ば此雨の降る体を思案せば御作者の奇妙
なる御計ひをも明に知べし誠に一切人間の智慧を一にして雨一顆を
ふらさんとするとも叶べからず雨のふる体を見よ喩へば篩を中に持て
物をふるふがごとし是を以て千草万木遍く其恵みを和かに受る者也
是又じよぶといふ経に見えたる如く田園を洒ぎ潤すのみならず野山の
果までも如此し去程に ds 雨を降し給ふ御恩のほどを見るに誠に
【枠外右側に 七ケ条】