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此一を以て有ほどの事を下さるゝ心也五穀草木根蔕枝葉花実
諸薬の種を先として禽獣の食物までも皆雨による者也如此計ひ
給ふ事は五穀草木禽獣虫魚の助けを以て人も命を保つ故也是を
指てだびつ ds 山野に草を生じ給ふ事是則人の為なりとさるも
百四十六に宣ふ也山野の草は人の食物にあらねども是を食する鳥
獣は人の為なるによて也去ばかほど雨の徳は深きがゆえに是を降する
事を ds 直に計ひ給ふ者也故にれびちこといふ経の廿六に御掟を保たば
雨の賜を与へ給ふべし御掟を保たずんば雨を降せ給ふへからずとじゆで
よらに宣ふ也然ば雨を降せ給ふを以て専ら人の命を保つ程の事を
与へ給へば争か御恩と存まじきや是に心を付ざる人は智慧なき
けだものにひとし
去ば又風大の事をいふに吹動く時はべんとゝいひ吹ず動かざる時を
あゑるといふ也然に御作者世界に風をふかせ給ふより人中に出来する
徳儀尤多し一には右にいふごとく大海より上る湿気空中にて雨と
なりて浮雲に包まれて有を風方々へふき送りて国土を潤し草
木を恵む者也此故に雨は多分海の方よりふき来る風にて降る也
二には万里の波涛を隔たる国々嶋々に渡海する事是亦風の大徳也
【枠外左側に 初巻二十二】