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故也然ば人はかゝる御慈愛を顧て御作者を崇敬し奉らずんばある
べからず
第九 地大の事
夫地大は人畜草木の慈母也其徳を論ずるに付て全く水大を遠
離すべからず是地水の二大は互に助けあひ其徳を通ずれば也水は地の
強剛なるに有て其体を保ち地は水の湿気をうけて其体堅固なる者也
所以者何粗右に云し如く地大は至て寒燥なる性なれば水大の湿気を
うけざるに於ては其体砕て灰𡋯の如くたるべし其によて御作者の
計ひ給ふ処は何国までも大海の潤ひ地中に行通る様に定め給ふ也
去ば土の性は余の三大に遥に劣れりといへども諸天と三大の徳用を
うけて以て人倫の大安をなす事則三大に勝れり大方左に顕す
べし先其居する所は天の一円相の中にあり何国へもよりかたぶく
事なし喩へば大厦の中に一鞠をつりさげて置たるが如し是何の
力に依るぞといふに御作者より地大に与へ給ふ自己の勢力を以て
天内四維の真中にすはる者也喩へば磁石を摺付たる針は北にむきて
【枠外左側に初巻二十四】