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よりは動く事なきが如く大地も四維上下の真中に居して変動する
事なし又大地をば ds 人畜の住所と定め給ふがゆへに人の生ける間は
拘へ巣立死して後も隠しおさむる也其上水火風の三は時として人に
害をなす事あり風は民屋舎宅をふき崩し大船小船の破損をなす
事あり或は洪水出来て田畠を流し国家を費す事ありといへども
地大は曽て其儀なし若地震の難を人脱かれざるは是風の所為にして
更に地のなす害に非ず都て草木の花実五穀の類ひを先として
牛馬六畜金銀銅鉄綾羅錦綉其外人の宝とする物多分は地大の
恩徳也さて又地よりわき出る清水の数々大河小河の絶ざる流れは
幾ばくそや是皆人間を先として禽獣草木を恵む者也人身に
喩ふれば経絡とて五体の中に血水の流るゝ筋余多ありて身命を
補養するがごとし又清泉も河水もなき所には井を掘て土中の水を
汲あげ用を叶ふる事是又大地の徳用也さても御作者の御計ひは
奇妙なる哉此等の水の上を見るに一年二年の事にも非ず数千年の
昔より今日に至るまで泉はわき出る事を止ず井水はくめども尽ず
行河の流れは絶ずして亦本の水にはあらざる事驚ても余りあり
さても御作者は何を下地として此等の河水をば作り給ふぞや緒学士
【枠外右側に 九ケ条】