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是を知らんと欲すれども幽遠にして議定し艱し汝是を知らんと
欲せば只御作者の御慈悲なりと思へ又人の養生の為に所々に
湧出る温泉も大地の深き徳用也是又御作者の御大切深甚なる
蹤跡也わき出る所は同じごとくなれども熱湯冷湯の隔てありて病に
応じて其用をなす事奇特不思議に非ずや汝其徳を受ながら其
御恩を知らずんば甚無道の至り也其上又地大の徳をいふに世界の初に
御作者より定め給ひし法を違へず木々草々の種子をつヾけて菓
実を結ぶ事たえず年々新に五穀を生じて人畜の養ひとなす
者也是又奇妙の一儀也心を留めて能々思惟せば御作者を見知り奉り
尊ひ奉るべき者也一粒の種の地に落て成長し木となり草となりて
花咲美のるを見よ誠に奇妙不思議也然ども是平生の儀なるが故に
心を留むる人なし若心を留むる人あらば世に稀なる事よりも此等の
平生の事を猶奇特なりと弁へて御作者を見付其御善徳を仰ぎ
奉るべしとさんとあぐすちいの宣ふ也
第十 地に生ずる草木の事
【枠外左側に 初巻二十五】