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翻刻
此篇に禽獣虫魚の上を具に論じて読誦の人をして御作者を見
知り奉る道に入しめんと思ふ者也然ば左にあらはすべき禽獣の所作に
付て信じがたき事もあるべけれども万事叶ひ給ふ御作者の御名
誉の為にかくあれと思召を以て禽獣に当る役を勤むると心得るに
をひては其不審も有べからず去ば分別の及ばざる高き道理ほど御作
者の広大に在ます徹所なれば弥讃談し恭敬し仰き敬ひ奉るべき
事本意也
第十二 禽獣に当る惣別の徳儀の事
ds 量りなき御仁徳の上より人の為に禽獣虫魚を作り給ふ時則彼等が
繁昌養育の為に入べき程の事をも与へ給ふ也先第一は食物也是亦一類〳〵
各別なるが故に其食も各別になくんば有べからずさるによてそれ〳〵に
当る食物をめい〳〵に作り与へ給ふ也類によては肉を食し類によては
草を食し或は五穀或は螻虫を食するもあり極めて小さき虫の類ひ
までもそれ〳〵に当る食物を作り与へたまはぬはなしだびつさるも
百卅五に是を仰き給ひて宣ふは Qui dat escam omni carni, quoniam in æternum
【枠外左 初巻三十】