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せよ或寺中に犬の子を産けるに衆僧是を見て多くは無益也只一疋養
はんとて四ッ産たる子の三ッをば取て遠き所に抛すてぬ其親来て
子のなくなりたる事を恠む気色顕れ所々をかぎまはり終に死し
たる子を見付畜生のかなしさはいきたる子の様に含み来て初の如くに
置ぬ人々是を見て犬の重て至るまじき所に捨をけとて四階の屋の
上に置ぬ犬来て子のなき事を悲しみ其香をかひで終に高く重
なれる甍の上に揚り又元の所に含み来りぬ是を以て御作者より
彼犬に子を巣立よと授け給ふいんすちんとゝいふ精魂は是程強きといふ
事を見よ又鳥類の子を巣立るを見るに乳房を持事は飛行の為の
障りとなるべきがゆへに ds より乳房を与へ玉はず只親の求る食を喰せ
よと授け給ふによて法界をかけり身の為子の為に食を求むる者也
親子達する程なければ其身は食せぬ事を看みず先子にのみ含むる者也
其例は巣より子を取て籠に入て外に置ば其の親餌を運びて養ふ事
彼が為に尤大儀の道なりといへとも御作者より授け給ふ大切のいんす
ちんとの精徳より是を勤むる者也さんべるなるど宣ふは如何に人御主
Jxo を御大切に思ひ奉れ然に於ては難行も安き勤めとなるべしと
其儀明に雉の子を思ふに顕れたり生得きじは臆病なる鳥なれども
【枠外右 十二ケ条】