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翻刻
歯の間透たるが故に食したる肉のはざまりたるを畜類の浅間し
さは楊枝を用ふる道もなければ只苦しむより外の事なし此難を
御作者より扶け玉はん為にある小鳥を遣し給ひてこゝぢいりよが
口を開けば彼鳥はざまりたる小肉を喰ひ取て即啄者也爰をもて
こゝぢいりよは苦しみを遁れ小鳥は其身の養ひを得る也又蛸の食を
求めんとては海底の岩に吸付てそれとも見えずして居る所に鰯
などの小魚石かと心得てそれによりそへば手をのべて取て喰ふと也
侫人も又如此し面には金色の交りをなして心には是非の針をつかふ者也
ぱらたれやといふ鳥の事をつうりよといふ学者の書けるは此鳥は魚を
くらふといへども水に得ざるゆへにや海河の辺りにゐて鵜などの魚を
とりてあがる所を觜をもてしたゝかに頭をつゝき頻に魚を捨させて奪ひ
とり喰ふと也しるげりいとゝいふ小鳥を飼ふ人は如何にも小さき
鎖を足につけとぼこのごとくに板を誘へてすゑ置也又其板につるべの
如くなる物をからくり両のはしには餌筒をくゝりつけ一ッにはゑを入れ
今一ッには水を入れてさげをけば彼小鳥ゑを喰はんと思ふ時はくちばし
にて糸を引てゑのある筒を引あげ水を飲んとする時は水のつゝを
引あぐる也若つゝに水なければ下にすゑをきたる水壺の内へつゝを入て
【枠外右 十三ケ条】