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親牛ども角を揃へて一円相にならび子共を中に置て猛獣を防ぐ
と也馬は又是に替りてをのれが得具足は跡足なれは跡足をそろへて
一円相に連ると也誠に其趣きは替るといへども其子を思ふ志しは替
らず
あるしよんといふ鳥あり是に付てさんばじりよとさんとあんぽろう
じよ書給ふ事をきけ此鳥は風雨はげしき寒天になぎさに下て
砂に巣をくひ子を産みそだつる也然ば冬は風荒くして磯打浪も高
ければ汀の巣のたまり難からん事を御作者より憐み給ふにや此
鳥の子をそだて巣を離るゝまで二七日の間は風波必穏かにして春の日の
長閑なるがごとし船を乗る人其時節を能窺ひて渡海するに気遣
なき者也嗚呼有難き天心哉誰か是を思惟して深き頼母敷を得ざ
らんや此等の鳥の類ひをさへ捨玉はざる御作者なれば争か我等人間に
御憐みを垂玉はざらんや又くうこといふ鳥に珍しき事あり此鳥
卵を産べき時節は余の鳥の巣に入て其の卵を喰て己れが子を産置也
卵を喰はれたる鳥は是をしらずして他の鳥の子を我子ぞと思ひて
そだつる也又ぺるぢすといふ鳥も同類の鳥の子を盗みて己れが子と
一ッにしてあたゝめ巣立るといへり然ども其子は巣を離れて後本の母の
【枠外右 十六ケ条】