翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

翻草盲目 - 翻刻

翻草盲目 - ページ 12

ページ: 12

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【右丁】 いわぬもつらき。武蔵(むさし)𠷕(あくひ)をいくらしても。工夫 は出 ̄ス思ひ切てと。大棗(なつめ)のやふな皃を真白にして。 何 ̄ンと先生今世 界(かい)にて。急(たちまち)に死 ̄ヌ者は。まだ傷寒(せうかん) 疫癘(ゑきれい)の類也。亦 痘瘡(ほふそふ)はよく死ども皆子供故。 幾人来ても一文の才 覚(かく)もなく。其上残す済(さい)の 河原(かわら)へ行。美味(うまみ)は地蔵にしてやられる。傷 寒 疫癘(ゑきれい)の類を悪鬼(あつき)に申付。世界へ時花(はやら)せる はどふてあろふと。一生の智恵をふるつて噺(はなせ)は。 【左丁】 蛮内大きに笑(わら)ひ。それが世間知らすの鼹鼠(むぐらもち)。【注①】 当世は古法(こはふ)家をこなわれ。石膏(せつかふ)附子(ふし)甘(かん)■(すい)【蕤ヵ 注②】 大 戟(けき)。芫花(けんくわ)商陸(せうりく)大 黄(わう)芒消(ほふせう)【硝の誤記ヵ】芭豆(はづ)を。恐(おそ)れす 用ひ。ことに傷寒の類は。古法家の得手物也。 後世(かふせい)家も表向は。素人(しろふと)へ古法を誹(そしり)。薬毒が 有の下すのといへども。ない〳〵は皆古法家を やるゆへ。十人に壱人助ものあり。既(すで)に紫 円(ゑん)は 千金(せんきん)法の薬(やく)法にて。小児に用る薬也。近世(ちかごろ) 【注① モグラの異名。】 【注② 薬種としては「甘遂(かんすい)」と思われる。】